ザッカーバーグの描く未来が一気に現実化しそうな #metaconnect2022 メモ
日本時間の2022年10月12日午前2時からMeta恒例のオンラインイベントMeta Connect 2022が開催されました。
Quest Proが発表されるということで、気になりながらも22時すぎに寝てしまいフとめざめたら1時50分。 「これはみないといけないのだろう」と思いPCの前に座りました。 冒頭から1時間20分にかけてマーク・ザッカーバーグによる”Let’s build beautiful worlds, together”と題した基調講演がおこなわれました。
多くのトピックがつまっていましたが個人的に印象的だった点のメモです。
Meta Quest Pro発表
今日のイベントで一番注目を集めていたのが「Project Cambria」のコードネームで開発されていたQuest Proの発表でした。
HMDをつけていていつも感じる重さですが、2が503gだったのに対してProは722gと1.5倍に増えています。ただ前頭部と後頭部のバランスを取ることでかなり装着感は良さそうです。 レンズは先日発売されたPico4同様にパンケーキレンズが採用され、解像度も4倍になるとのことで、Quest 2で感じるぼんやり感が解消されそうです。 外部のカメラはカラーになり、Quest 2ではモノクロだった外界がカラーパススルーでみることができVR(Virtual Reality:仮想現実)からMR(Mixed Reality:複合現実)端末としての展開が期待できます。 細かいところでは、Quest 2のアプリケーションとは上位互換、コントローラーにもカメラが搭載され360度の可動域を実現しLEDのリングがないスッキリしたデザインになりました。 また純正の充電ドックもついてくるようです。
すでにオンラインでの予約を開始し、価格は1499USDということで思ったより抑えてきた印象です。 ただ日本円だと22万6000円ということで円安の厳しさを感じます。 現行機Quest 2が399USD(5万9400円)であることを考えるとその差額は大きく、ハードの発表だけでは魅力を感じるには至りませんでした、このときまでは。
MetaとMicrosoftがまさかの提携
そこで突然のサプライズがありました。 マーク・ザッカーバーグが呼び込んだのはMicorosftのCEO兼会長のサティア・ナデラでした。 そしてMetaとMicrosoftの戦略的な提携と、Microsoft Teams、Office、Windows、Xbox Cloud GamingをMeta Questへの導入を発表しました。
Metaが2年前に打ち出した”Infinite Office”を実現するものです。
MetaはInfinite Office構想で現実空間を支配するMicrosoft OfficeのようなポジションをMetaは仮想空間で目指そうとしていました。
そのMicrosoftのOfficeだけでなく、OSとしてのWindowsをまるごとHMDにストリーミングできるとなるとPCのかわりにHMDを導入する企業があわられるなんてことも考えられそうです。 Micorosoft製品を導入している企業や組織でQuestの導入も進むかもしれません。
Quest 2ではコロナ禍でも「出社」ができるHorizon Workroomsがリリースされました。 Workroomsは私たちもxR定例という社内会議で使っています。 ただこれが実効的な会議になるかというとまだまだとも感じていました。 臨場感があり近くで実際に会話している感覚になれるメリットは感じるものの、ホワイトボードやPCに接続された際のキーボードの使い勝手などに厳しいものがあります。 ここにMicrosoftの一連のプロダクトがマージされることで大きく改善されることが期待できそうです。
MicrosoftはHoloLensでMRの社会実装において最もリードしていた企業です。 Quest ProはフルカラーパススルーでVRからMRへ向かってくことでHoloLensとガチンコでぶつかると考えられていました。 一方MicrosoftはスキャンダルなどでHoloLensプロジェクトの行方にに不安があります。 未来のワークスペースやMRを活用したソリューションにおいてMetaとMicrosoftが目指すものと利害が一致して今回の提携に至ったものと考えられます。
これはメタバース懐疑論からMetaのビジネスの非現実性を唱える人たちに対して非常に大きなインパクトを与えるものになったと思います。
この発表でQuest Proへの物欲が一気に高まってしまいました。 ただやはりこの価格だと、深夜でも購入ボタンを押すことはできませんでした。
ザッカーバーグのビジョンの一貫性
Facebookから現在までザッカーバーグがやってきたことは「ひとをつなぐ」ということで一貫していると感じます。 栄枯盛衰の激しいSNSの競争の中でもFacebookの地位はまだ揺らいでいません。 事実コロナで会えない友だちの近況がわかり声もかけられます。 SNSを平面的なメタバースだと考えればMetaがめざす世界も「ひとをつなぐ」ことだと言えます。
GAFAについて語られるとき、堅実な事業性の高い他社に対して「夢みがち」にみられるのがMetaでした。 なぜかGAFAMという言葉で最後の文字で表現されながらも強力な存在であるMicrosoftがMetaと組むことで「夢」のような世界が一気にリアルになっていくように感じます。
FacebookがMetaになったいまでも「GAFA」と呼ばれています。 GAFAの「F」はFutureであり、GAFAMの「M」はMake itなんじゃないかと感じた夜でした。